今年の振り返り(2)

昨日に引き続き、今年を振り返っていきます。昨日の記事はこちら


2010年の反省を踏まえて、2011年の方針は「営業力強化」としました。どのように営業力を強化していくか・・・、悩みました。社内に置いた営業スタッフも苦戦しており、案件を獲得する大変さを肌で感じていました。新規案件は獲得できましたが、営業が少し無理をして御用聞きをした結果、営業VS開発というよくある構図が再現されてしまったり、悩みは尽きませんでした。


さらには、私が出突っ張りで内部をあまり調整できなかったことも影響して、3月に多くのスタッフを失う結果になりました。その中には営業スタッフも含まれていました。残念な気持ちでいっぱいになりましたが、今となってはこう思います。自然にダウンサイジングが起こったのです。


2010年の夏から、私は様々な交流会に出席し、会員制の交流会にも所属し、交流会というものがどういうものなのか、どうやって活用していけば良いのかをノウハウとして蓄積していきました。交流会の良いところ、悪いところ。会員制交流会の良いところ、ダメなところ。色々な要素を吸収した後にBNIと出会いました。「一業種一者」「毎週開催」「充実したセミナー」「体系化された進行手順」など、「仕組」を持った会員制異業種交流会組織「BNI」は私に大きな転機をもたらしました。


BNIの基本理念は「Givers Gain」(与えるものは与えられる)。私の基本ポリシーは「先義後利」。この2つの言葉ががっちり噛みあいました。Givers Gainを説明するにあたりよく使われる喩え話があります。

大きなたらいに水がはってあります。
あなたはより多くの水を得たいと考え、自分の方へ水をたぐり寄せました。
すると水は反対側へ流れていってしまいます。
そこで自分とは反対の方向へ水を払いだしてみました。
すると、水は自分のほうへと戻って来ました。

「先義後利」は道義を優先させ、利益を後回しにすること。大丸グループ共通の精神、営業方針にもなっています。こんな逸話があります。

数年にわたり襲った「天保の大飢饉」により、餓死者が多数出るなど世の中には暗雲がたれこめていた。「天下の台所」と呼ばれていた大阪でも状況は同じである。


大阪町奉行の子に生まれた大塩平八郎は、与力などを歴任した後、私塾「洗心洞」を開き、多くの門弟に「知行合一(ちこうごういつ)」を唱える陽明学を教えていた。


世の惨状を見かねた大塩は、救済策を奉行所に建言するが、一向に相手にされない。そこで、ついには自宅に火を放ち、門下生らとともに決起することとなった。


兵火に焼かれた家は約2万戸。大阪市中の4分の1にも上り、死傷者は二万数千人と記録されている。豪商達も多数襲われたが、そのなかで襲撃を免れた店があった。「大丸」である。


大丸の前にきたとき、大塩は「大丸は義商なり。犯すなかれ」と叫び、民衆を抑えたと伝えられている。

営業には大きく2つのタイプがあります。「肉食型営業」と「農耕型営業」です。
「肉食型営業」は商品やサービスをカタログ化し(あるていどの知識がある人であれば誰でも営業できる)状態にして「買いませんか?!」と直接お客様に迫り寄る営業スタイルです。
「農耕型営業」は人と出会い、その人と何度も会い、信頼関係を構築した上で、サービスや商品を利用してもらう営業スタイルです。ここまでは普通なのですがBNIはさらにその先を行っている気がしたのです。言うなれば「放牧型営業」なのです。
「放牧型営業」は信頼関係を「農耕型営業」をベースにして、信頼関係を構築した後、相手に自分のサービスや商品について深く理解してもらい、自分に代わって相手の人脈に営業をしてもらうスタイルです。


ここで「他人のために営業なんてしている時間がないよ!!」と考えてしまう方はGiversGainの精神に迫ることができないかもしれません。自分の利益を優先することは「先義」にもマッチしません。「先義」は相手の利益を優先し、「後利」は回りまわって利益がやってくるということを意味しています。


私は今まで自分のポリシーを正直持て余していたのですが、BNIと出会ったことにより自分のポリシーをどのようにしたら役に立てることができるのか気づくことができたのです。