嘘のような本当の話?!

とある社長と夕食をご一緒したのですが、その方から突然の告白を!!告白というとわくわくドキドキするところですが、男性の社長ですし、御年55歳ということで、期待にそえるような美人社長ではございません。


「山田さん、実は私、幼稚園まで、小学校にあがるまで女の子として育てられたんですよ。」
うーん、目が点になりました。何を言われたか意味がわからないような表情を私がしていると、その社長は話を続けてくださいまして。
「幼稚園にスカートをはいてお下げ髪で通ってました。上には兄が二人いまして、あぁ、真ん中の兄はもう亡くなってしまったんですがね…。母親は女の子が当時欲しかったんでしょう。だから」
「お母様は女の子として育てたと。」
「えぇ、実はそれには後で気づいたんですがね。お前が身体が弱いから男の子として育てたら死んでしまう。だから女の子として育てて守ったんだよと言ってました。」


だんだん私も話が分かってきまして
「しかし、いくらなんでも名前が男性ですし、女の子として通せるはずがないじゃないですか?!」
「そこなんですよ。私の苗字はその地域では珍しくて、同じ名字なのは親戚で2、3あるくらいでした。とある家に○子という女の子がいたので、名前を貸してもらったんだそうです。公立の幼稚園じゃそれは難しかったので、私立の幼稚園にわざわざ入れられたんですよ。」
「○さんと○子さん?!出来すぎた話ですが、それはにわかには信じられないですねぇ。」
この時点で私は半分吹き出していましたが、話はまだ続きます。


「さすがに小学校にあがるときには、髪もきりまして、男の子として通学するようになりました。」
「えぇえぇ。さすがに男の子っぽくなりますよね。」
「親友ができたんですよ。もちろん男子です。毎日の様にお互いの家をいききするくらい仲良くなりましてね。」
「おぉ〜。いいですねぇ。幼稚園ではそうはいかなかったでしょう。」
「ある日、その親友が初恋の人を教えてくれるって言ったんですよ。」
ここで、危険な予感が…。


「幼稚園の卒業アルバムを見せてくれたんですが、その初恋の相手って言うのが、なんと私だったんです。」
一同、噴き出す。(いやぁ、この瞬間はいろんな液体が飛んでました。)


「その彼は、可哀想なことにいまだに結婚せずに独身なんですよ。」
「まさか、あちらの道に進んでしまったとか?!」
「えぇ。初恋の人が私じゃなかったら、へんな道に進むことはなかったでしょうけどねぇ。」