メールのタイトル

日本人はコミュニケーション下手と言われています。「察する」「行間を読む」といった口数少ないコミュニケーションを好む傾向があるそうです。実際、1日の会話量を日本人とアメリカ人で比較すると数倍の差があるのだとか。


ビジネスの世界では、難しい事を相手に伝えるシーンがしばしばあります。日頃からしゃべったり、書くトレーニングをしておかないと、コミュニケーション下手で苦労することになります。


コミュニケーションツールはたくさんありますが、毎日頻繁に利用する「メール」。今日はそのメールの中でもタイトルに絞り込んで思うところを書きたいと思います。


私が一番最初に気を遣うのがメールのタイトルです。1日に100通以上のメールをみますが、

  • 意味のないタイトル
  • 返信がいつも同じタイトル

が目につきます。


意味のないタイトルとは、具体性がなく、そのタイトルだけを読んで本文の内容が想起できないタイトルのことです。

  • 更新しました
  • ○○作業をしておりますが・・・

こういったタイトルは

  • ○○ホテル画像更新完了のご報告
  • [サポート依頼]○○作業の△△が手順通りにすすみません

という具合に、具体性を持たせることが重要です。最初の例では、更新作業の依頼が並行していくつもあった場合、どの更新作業が終わったのか、メールを受け取った側が本文を見て確認しなければいけません。次の例では、作業がうまくいっているのか、うまくいっていないのか本文を読むまでわかりません。


メールでのやり取りに気を遣わないと、読み手にその分の解読作業を強いることになります。これが「察する」「行間を読む」といった日本人のありがちな傾向につながると、読み手が「頑張らなきゃ!」と思いこんでしまい、知らないうちにロスが生じていくのです。


返信がいつまでも同じタイトルになることがよくあります。たとえば同じ内容について100通のメールが関係者間で飛び交ったとします。そのうち1通に大切な金額が書いてあるとしましょう。タイトルでは検索ができませんので、検索機能を利用してその金額に関連する言葉を探し出すか、1通ずつ開いて確認するしかなくなります。これは実に大変です。


当事者間で数回やり取りをする程度であれば良いのですが、何度も同じタイトルを使いまわしていると、「Re:要件定義書について」といった、プロジェクト初期のタイトルが発注後実作業に入った後も使われ続けるといったことになりかねません。


タイトルも本文同様非常に重要な役割を持っています。大切さをしっかりと意識して、内容をイメージしやすいタイトルにすることを心がけたいものです。